1. Top
  2. ブログ一覧
  3. 【Shopify】知っておきたいテーマ開発のベストプラクティス
Eコマース

【Shopify】知っておきたいテーマ開発のベストプラクティス

公開日

2024.12.16

【Shopify】知っておきたいテーマ開発のベストプラクティスのサムネイル

Shopifyテーマの構築をはじめてみたものの、パフォーマンスが出ない、コードが煩雑になってメンテナンスがしづらい、より良い顧客体験を生むテーマを開発したい、といった課題に直面してはいませんか?よりよいテーマ構築をするためにもベストプラクティスを知ることは欠かせないポイントです。この記事では、メンテナンス性とパフォーマンスに優れ、より良い顧客体験を提供するためのテーマ構築に関するベストプラクティスを紹介します。

Shopifyテーマ開発において、まずおさえたいこと

ベストプラクティスを知る前に、効率よくテーマ開発を行うにあたって知っておくと良いことがいくつかあります。
例えば、開発環境時に導入したShopify CLIには、便利なコマンドが提供されているため一通りおさえておくと良いですし、テーマ構造を事前に把握しておけばスムーズに開発を進めることができます。開発を便利にするためのツールも存在するため、導入しておくとよいでしょう。

セクションとブロックを効果的に使う

ShopifyのLiquidセクションとブロックを効果的に活用することで、柔軟で再利用可能なコードを作成できます。セクションは、ページ全体を構成する主要な構造を提供し、ブロックはセクション内で個別に設定可能な小さなコンテンツ単位として機能します。これにより、管理画面での直感的なカスタマイズが可能となり、開発スピードが向上します。
例えば、セクションを使用してページ全体のレイアウトを構築し、ブロックを利用してテキスト、画像、ボタンなどの要素を動的に追加できます。また、セクションごとに条件分岐を取り入れることで、特定のページやコンテンツに応じた表示を実現することも可能です。これにより、メンテナンス性の高い、効率的なテーマ開発が行えます。

パフォーマンス最適化

ページの読み込み速度を向上させるためには、以下の具体的な手法を実践しましょう。
画像については、形式を適切に選択します。例えば、JPEGやPNGの代わりに次世代フォーマットであるWebPを使用すると、ファイルサイズを削減しつつ画質を維持できます。また、遅延読み込み(lazy loading)を設定することで、ユーザーがスクロールしたときにのみ画像を読み込む仕組みを導入できます。これにより、初期ロード時間を短縮可能です。
JavaScriptやCSSに関しては、圧縮と軽量化が鍵です。使わないコードを削除し、ミニファイツールを使ってファイルサイズを削減しましょう。さらに、不要なサードパーティスクリプトの読み込みを制限し、必要な場合は非同期(async)または遅延(defer)読み込みを設定することで、レンダリングを妨げないようにします。
パフォーマンスを継続的に監視するためには、Google PageSpeed InsightsやShopify Theme Inspectorを活用します。これらのツールを使って問題箇所を特定し、優先的に対応すべき改善点を明らかにしましょう。加えて、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)の利用やキャッシュポリシーの最適化により、サーバー負荷の軽減とコンテンツの高速配信を実現します。

アクセシビリティへの配慮

まず、アクセシビリティについてはWCAG 2.0ガイドラインの主要な原則をおさえておくことが重要です。

  • 知覚可能 (Perceivable): 情報やUIコンポーネントを、ユーザーが認識できる形で提供する
  • 操作可能 (Operable): UIコンポーネントやナビゲーションを操作可能にする
  • 理解可能 (Understandable): 情報やUIの操作が直感的で理解しやすく、一貫性のあるデザインである
  • 堅牢 (Robust): コンテンツが、多様なユーザーエージェントや支援技術によって正しく解釈されるように設計する

主要な原則をおさえた上で、例えば、ページ構造について、適切なグローバル設定を意識し、lang属性をHTML要素に設定することで、スクリーンリーダーが適切なアクセントや方言で内容を読み上げられるようにする、また、ビューポートのズームを有効化し、ユーザーのズーム操作を妨げないようにする、といった対応を行います。
また、見出しはページ構造を論理的に整理するために使用し、デザイン目的ではなくコンテンツの論理的な順序付けに従って配置する、フォームフィールドには明確なラベルを付与し、エラーメッセージは簡潔でわかりやすく提供する、といった点などにも配慮します。
そのほか実践的なアプローチを以下でも解説していますので、合わせて参照ください。

バージョン管理とビルドツールの利用

Shopifyのテーマ開発では、バージョン管理とビルドツールを活用することで、効率的かつエラーの少ない開発環境を構築することができます。
まず、バージョン管理については、Gitなどのツールを使用してコードの変更履歴を管理します。これにより、複数の開発者が同時に作業を行う場合でも、変更内容の追跡や、以前の状態へのロールバックが容易になります。また、ブランチを活用することで、新しい機能や修正をテスト環境で確認してから本番環境に反映させる安全なプロセスを確立することが可能です。
さらに、テーマ開発におけるビルドツールの利用は、コードの品質向上と作業効率化に寄与します。例えば、CSSやJavaScriptをミニファイ(圧縮)してファイルサイズを軽減する、画像を最適化する、SCSSやTypeScriptなどのプリプロセッサをコンパイルする、といった処理を自動化することで、テーマのパフォーマンスを向上させることができます。
これらのプロセスを統合することで、Shopifyテーマの開発フローが一貫性を持ち、メンテナンス性も高まります。特に、ビルドツールとバージョン管理を組み合わせて使用することで、コードの品質管理と効率的なデプロイが実現できます。

まとめ

Shopifyテーマ開発におけるベストプラクティスを実践することで、効率的かつ堅牢なテーマを作り上げることができます。この記事で紹介した基本的なステップや注意点を参考に、開発プロセスを最適化し、ユーザー体験を向上させるECサイトを構築してください。これらの知識を活かし、メンテナンス性の高いテーマを開発して、長期的な運用の成功を目指しましょう。