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Eコマース

決済・税務・物流を一元管理「Global-e」とは何なのか?

公開日

2025.02.27

更新日

2025.02.27

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決済・税務・物流を一元管理「Global-e」とは何なのか?のサムネイル

越境ECを展開する企業にとって、国ごとに異なる決済方法、複雑な税制度、物流網の構築は大きな障壁となります。これらの課題を一元的に解決するプラットフォームとして注目を集めているのが「Global-e」です。本記事では、Global-eの包括的なソリューションの概要から具体的な機能、競合との比較を詳細に解説します。国際市場での競争力強化を目指す中堅・大企業の方々に向けて、その可能性と活用法を探ります。

Global-eとは:越境ECの包括的ソリューション

Global-eは、企業の越境ECを包括的にサポートするエンドツーエンドのソリューションプロバイダーです。2013年にイスラエルで設立され、現在はニューヨーク証券取引所に上場している企業です。世界200以上の市場へのアクセスを可能にし、複数の通貨、言語、決済方法、税制度、物流網に対応した統合プラットフォームを提供しています。

Global-eの最大の特徴は、越境ECにおける複雑な要素をすべて一元管理できることにあります。通常、国際的なオンライン販売を行うためには、国ごとに異なる決済システムの導入、複雑な税務処理の対応、物流パートナーとの個別契約など、多くの課題を解決する必要があります。Global-eはこれらをワンストップで提供することで、企業がコアビジネスに集中できる環境を実現しています。

特に注目すべきは、Global-eがShopifyやMagentoなどの主要なECプラットフォームとシームレスに連携できる点です。既存のECサイトに大幅な変更を加えることなく、グローバル展開のための機能を追加できるため、導入障壁が低いという利点があります。また、企業の規模やニーズに応じたカスタマイズも可能であり、中堅企業から大企業まで柔軟に対応できるソリューションとなっています。

Global-eは単なるテクノロジーソリューションにとどまらず、国際的なEコマース展開のためのビジネスパートナーとしての側面も持っています。各国市場に精通した専門家チームによるサポートや、データ分析に基づく市場戦略の提案なども行っており、テクノロジーとコンサルティングを融合したサービスという点で、他の越境ECソリューションとは一線を画しています。

現在、adidasやMarc Jacobsなど世界的な有名ブランドを含む多くの企業がGlobal-eを活用しており、特に欧米市場では急速にシェアを拡大しています。日本市場においても近年注目度が高まっており、日本企業の海外展開や、海外企業の日本市場参入の両面でその活用が進んでいます。

Global-eのコアサービスと提供価値

Global-eが提供するコアサービスは、決済処理、税務管理、物流最適化の3つの領域に大別されます。これらのサービスがどのように企業の越境EC戦略に貢献するのか、詳細に見ていきましょう。

まず、決済処理においては、世界150種類以上の決済方法と100以上の通貨に対応しています。国ごとに異なる好みの決済手段(クレジットカード、PayPal、Alipay、WeChat Pay、各種電子ウォレットなど)を顧客に提供することで、決済プロセスでの離脱率を大幅に低減することが可能です。また、現地通貨での価格表示と決済を実現し、為替レートの自動調整や通貨換算の透明性を確保することで、国際的な顧客体験を向上させます。

特筆すべきは、Global-eの動的価格設定機能です。これにより、国ごとの競争環境や市場特性に応じた価格戦略を実施できます。たとえば、季節要因や競合状況に基づいて特定市場での価格を調整することも可能です。さらに、プロモーションやセールなども地域ごとにカスタマイズできるため、マーケティング戦略の柔軟性が格段に高まります。

次に、税務管理については、世界各国の複雑な税制や関税に自動的に対応する機能を提供しています。具体的には、各国の付加価値税(VAT)、消費税、関税などを正確に計算し、顧客に購入時点で明示することができます。これにより、配送時に予期せぬ追加料金が発生するという、越境ECにおける大きな顧客離れの原因を解消します。

また、Global-eは各国の税関当局との連携も強化しており、必要な書類の自動生成や電子申告にも対応しています。GDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などのデータ保護規制への遵守もサポートしており、コンプライアンスリスクの低減にも貢献します。

物流面では、Global-eは世界各地の物流パートナーとのネットワークを活用し、最適な配送ルートと方法を自動選択するシステムを構築しています。これにより、コスト効率と配送スピードの両立が可能になります。さらに、国際配送の追跡情報を一元管理し、顧客に現地言語でリアルタイムの配送状況を提供することで、アフターサービスの質も向上させています。

特に重要なのが、返品プロセスの簡素化です。国際取引における返品は非常に複雑になりがちですが、Global-eは現地での返品受付や、国際返送の効率化などを実現しています。これにより、顧客満足度の向上だけでなく、返品処理にかかる企業側の負担も大幅に軽減されています。

これらのコアサービスに加えて、Global-eは包括的なデータ分析ツールも提供しています。各市場でのパフォーマンス、顧客行動、コンバージョン率など、詳細なインサイトを得ることができるため、データドリブンな国際展開戦略の立案が可能になります。例えば、特定の国での購入パターンや好まれる商品カテゴリを分析し、品揃えやマーケティング施策の最適化に活用できます。

Global-eの提供価値は、単にテクノロジーソリューションを提供することにとどまりません。国際展開におけるリスク低減、市場参入の迅速化、オペレーションの効率化、顧客体験の向上など、多角的な側面から企業の越境EC戦略を支援しています。

競合サービスとの比較と独自性

越境EC市場には、Global-e以外にも様々なソリューションプロバイダーが存在します。この競争環境の中で、Global-eがどのような独自性を持ち、どのような企業に適しているのかを分析していきます。

主要な競合としては、eShopWorldなどが挙げられます。これらのサービスも、越境ECを支援するための様々な機能を提供していますが、各社にはそれぞれの強みと弱みがあります。

まず、Global-eの最大の強みは、その包括性にあります。多くの競合サービスが特定の機能(例えば決済処理や物流最適化)に特化しているのに対し、Global-eは決済、税務、物流、コンプライアンス、マーケティングなど、越境ECに必要なあらゆる要素を一つのプラットフォームで提供しています。この統合されたアプローチにより、異なるベンダー間の連携の複雑さを排除し、一貫した顧客体験を実現できる点が大きな差別化要因となっています。

次に、スケーラビリティの面でもGlobal-eは優位性を持っています。中小企業から大企業まで、様々な規模の企業に対応できるソリューションを提供しており、企業の成長に合わせて機能を拡張することが可能です。一方、一部の競合サービスは特定の企業規模に特化しており、スケーラビリティが限定的な場合があります。

市場カバレッジについても、Global-eは200以上の市場をサポートしており、これは多くの競合サービスを上回るカバレッジです。特に、中東やアフリカなどの新興市場において強いプレゼンスを持っている点が注目されます。これらの市場は成長ポテンシャルが高いものの、決済インフラや規制の複雑さから参入障壁が高い地域でもあります。Global-eはこれらの市場における専門知識を蓄積しており、企業の新興市場展開を効果的に支援できる体制を整えています。

テクノロジー面での差別化要因としては、AIと機械学習を活用した動的価格設定と税額計算が挙げられます。Global-eのアルゴリズムは、市場の変動、競合動向、為替レートなどの要因を分析し、最適な価格戦略を提案します。また、各国の複雑な税制に対応するための継続的なアップデートも、専門チームによって管理されています。この点で、一部の競合サービスはより静的なアプローチを取っており、市場変化への対応速度という点ではGlobal-eに優位性があります。

パートナーシップとエコシステムの観点では、Global-eはShopify、Magento、Salesforce Commerceなど、主要なECプラットフォームとの緊密な統合を実現しています。特に、Shopifyとの戦略的パートナーシップは注目に値します。Shopify Plus加盟店は、簡単な設定でGlobal-eの機能を活用できるようになっており、導入の障壁が大幅に低減されています。この広範なエコシステムは、多くの企業にとって既存システムとの親和性という点で大きなメリットとなります。

※参照:Shopify Native

Global‐eの課題

一方で、Global-eにも課題がないわけではありません。特に、初期導入コストやカスタマイズの柔軟性という点では、一部の競合サービスがより優位性を持つ場合があります。特に小規模企業にとっては、総合的なソリューションよりも、必要な機能に特化した個別サービスの方がコスト効率が良い場合もあります。

また、データ所有権とプライバシーに関する懸念も指摘されています。Global-eのようなプラットフォームを利用する場合、顧客データの一部がサードパーティと共有されることになります。これは、特にデータ主権に敏感な企業や、厳格なプライバシー規制がある地域で事業を展開する企業にとっては検討すべき課題です。

総合的に見ると、Global-eは特に以下のような企業に適したソリューションと言えます。

  • 1.複数の国際市場に同時に参入したい中堅・大企業
  • 2.既存のECプラットフォーム(特にShopify)を活用している企業
  • 3.新興市場を含む幅広い地域で展開を考えている企業
  • 4.国際的な規制コンプライアンスに関するリスクを最小化したい企業
  • 5.データ分析に基づいた市場戦略の最適化を重視する企業

一方、以下のような場合は、他のソリューションの方が適している可能性があります。

  • 1.少数の特定市場のみをターゲットとする小規模企業
  • 2.独自のECプラットフォームを開発・運用しており、高度なカスタマイズを必要とする企業
  • 3.特定の機能(例:決済処理のみ)に特化したソリューションを求める企業

このように、Global-eは包括性、スケーラビリティ、市場カバレッジという点で多くの競合サービスと差別化されていますが、企業の規模、ターゲット市場、既存システムとの統合性などを総合的に考慮した上で、最適なソリューションを選択することが重要です。

まとめ

Global-eは、越境ECにおける決済・税務・物流の課題を統合的に解決するプラットフォームとして、国際展開を目指す企業にとって強力なツールとなります。200以上の市場への対応、150種類以上の決済方法、多様な通貨対応、税務計算の自動化、物流の最適化など、国際取引のあらゆる側面をカバーするソリューションを提供することで、企業の国際展開をシームレスに支援します。

特に、既存のECプラットフォームとの統合のしやすさや、包括的なデータ分析機能は、Global-eの大きな強みとなっています。中堅・大企業にとっては、個別のソリューションを組み合わせるよりも、統合されたプラットフォームを活用する方が効率的であり、一貫した顧客体験を提供する上でも有利です。

一方で、導入にあたっては初期コストや運用体制の整備など、検討すべき課題もあります。企業の規模、ターゲット市場、既存システムとの親和性などを総合的に判断し、自社のニーズに最適なソリューションを選択することが重要です。

Global-eの導入は単なるシステム導入ではなく、国際ビジネス戦略の転換点となります。明確な目標設定、段階的な展開計画、データに基づく継続的な最適化、そして社内外の関係者との緊密な連携を通じて、真のグローバルコマースを実現し、国際市場での持続的な成長を達成することができるでしょう。

進化するデジタル経済と消費者行動の中で、国境を越えたシームレスな購買体験への需要は今後も拡大し続けます。Global-eのようなエンドツーエンドソリューションを活用し、技術的・運用的な障壁を乗り越えることで、企業は地理的制約を超えた成長機会を捉え、真のグローバルブランドへと進化していくことができるのです。

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参考文献