
はじめに
ECサイトをリニューアルして成功させるには、要件定義の適切なアプローチが不可欠です。現状の業務プロセスやシステムを十分に考慮し、新ECサイトに求める機能や連携を明確化することで、開発プロジェクトのリスクを最小化できます。要件定義に抜け漏れやズレがあると、後になって手戻りが発生しプロジェクト遅延、最悪の場合は一からやり直しになるケースもあります。本記事では、既存の業務フローの明確化、ECカートと在庫管理システムなど各種業務システムとの統合、そして中〜大規模ECサイトにおける要件定義の難しさとプロフェッショナル活用の重要性の3点に焦点を当て、業界の最新動向や事例を交えながら実践的なアプローチを解説します。
弊社ROUTE06は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するプロフェッショナルチームです。業務フローを起点とした徹底した業務分析、高品質な要件定義、独自ツールを活用した短期間での成果物提供を通じて、実際に業務で使えるシステムを提供しています。また、DXプロジェクトでよく発生する「使えないシステム」「予算超過」「スケジュール遅延」といった課題を防ぎ、プロジェクトを円滑に進める支援を行っています。ROUTE06は、事業とITの架け橋となるパートナーとして、貴社の成長をともに実現します。具体的な課題やニーズに応じたご提案も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
既存の業務フローの明確化とその重要性
ECサイト刷新に着手する際は、まず既存の業務フローを洗い出して明確化することが重要です。要件定義の段階で現在の業務プロセスを把握しておくことで、依頼側(事業者)と開発側(ベンダー)の認識を合わせやすくなり、抜け漏れのない要件整理につながります。例えば、商品を受注してから顧客のもとに届くまでに発生する主な業務として以下が挙げられます。
- 受注処理(注文内容の確認・決済処理など)
- 出荷・配送(ピッキング、発送手配、配送状況追跡など)
- アフターサポート(返品・交換対応、問い合わせ対応など)
こうした一連の業務フローを具体的に図解し“見える化”することで、新サイトに必要な機能や連携すべきシステムが見えやすくなります。実際にECサイトで注文を受けた後に社内でどのような処理が行われユーザーへ商品が届けられるのかを詳細に洗い出す作業によって、現行業務の課題や非効率な箇所も浮き彫りになります。
要件定義時には現場の担当者も交えて業務フローを再確認し、必要に応じてプロジェクトチームや開発会社の視点から改善点の指摘を受けることで、リニューアル後の業務効率化にもつなげることができます。このように、現状の業務フローを明確に把握しておくことが堅実な要件定義の第一歩となります。
ECカートと在庫管理システムなどの統合・連携の必要性
リニューアル後のECサイトは、既存の業務システム(ECカート、在庫管理、受注管理、会計システムなど)とのシームレスな統合が求められます。フロントのECサイト部分だけを刷新しても、バックヤードの基幹システムとデータが連携されていなければ業務に支障をきたす恐れがあります。新ECサイトを既存システムと統合することで、データの一貫性を保ちつつ手作業を削減し、受発注や在庫更新など日々のオペレーションを効率化できます。特に商品点数が多かったり複数の販売チャネルを展開している場合、ECサイトと基幹システムの連携は 不可欠 です。システム連携により在庫管理や価格設定の精度を維持でき、さらには購買履歴データの統合分析によって売上向上につながるマーケティング施策の立案も可能になります。実店舗とECサイトで在庫を共有しているケースでは、基幹システム連携によって在庫情報をリアルタイムに把握でき、在庫切れや受注過多といったトラブルを防止して顧客満足度を高める効果も期待できます。
システム統合の具体的なメリットをまとめると次のとおりです。
- データ一元管理による整合性確保と業務効率化: ECサイトと他システムのデータを統合することで、在庫数や注文状況など情報の齟齬を防ぎ、重複入力を省いて業務をスムーズにします。
- リアルタイムな在庫連携による欠品防止: 連携により在庫状況が即時反映されるため、販売機会の損失や二重販売のリスクを低減できます。
- 手作業の削減によるミス防止と生産性向上: 商品情報や受注情報の連携を自動化することで人為的な入力ミスを減らし、スタッフはよりコアな業務に専念できるようになります。
- データ活用による戦略立案: 顧客購買データや在庫データが一元化されることで分析が容易になり、需要予測やマーケティングなど戦略的な意思決定に活かせます。
昨今ではOMO(Online Merges with Offline)の潮流も相まって、オンラインとオフラインの垣根を超えた在庫・顧客情報の連携が重視されています。例えば、ECと店舗の在庫を統合管理できる仕組みを導入すれば在庫最適化と販売機会ロスの防止につながるため、中長期的な成長基盤を築けます。このように、ECサイトと基幹業務システムの円滑な統合はリニューアル成功の重要なポイントと言えるでしょう。
中規模〜大規模ECサイトにおける要件定義の難しさとプロフェッショナル活用の重要性
プロジェクトの規模が大きくなるほど、要件定義の難易度も上がります。中〜大規模のECサイトとなると関係部門や機能も多岐にわたり、独自の要件や複雑な業務ロジックが必ず存在します。
要件定義の初期段階でこれらを漏れなく洗い出すことは容易ではなく、自社内だけで対応するには限界があるでしょう。実際、要件定義に不備があると期待とは異なるECサイトが出来上がってしまったり、後になって要件の見直しが発生してスケジュール遅延を招く恐れがあります。こうしたリスクを減らすためにも、プロフェッショナルの知見を積極的に活用することが有効です。
具体的には、豊富なECプロジェクト経験を持つ外部の専門家(コンサルタントや開発ベンダー)と連携し要件定義を進めることが推奨されます。経験豊富なベンダーであれば過去の類似プロジェクト事例が蓄積されているため、業界特有の要望や大規模サイト特有の課題にも精通しており、要件の認識ズレが起きにくくなります。実際、「やりたいこと」に近い事例を持つベンダーに依頼すれば、ベンダー側もEC特有の要件に慣れているため理解が早く、結果として高品質なサイト構築につながるとされています。一方で自社の要望が一般的なECサイトの範疇を大きく超える場合でも、信頼できるプロの力を借りればヒアリングを通じて要件を適切に整理し、抜け漏れのない仕様に落とし込んでもらえるでしょう。
さらに、要件定義そのものに専門的な知識が要求される領域(例:セキュリティ要件や複雑なシステム連携要件など)では、早い段階からプロのサポートを受けることが肝要です。システム要件の定義には高度な知見が必要になるため、場合によっては外部のコンサルタントやシステムベンダーに相談することが推奨されています。自社内に十分な経験がない場合でも、プロフェッショナルの力を借りることで要件定義の精度が格段に上がり、プロジェクト成功の可能性を高めることができます。
まとめ
ECサイトのリニューアルを成功させるためには、綿密な要件定義を行い、新しいサイト像を的確に描くことが欠かせません。現行業務フローを詳細に洗い出して関係者間で共有することから始め、ECカートや在庫管理など既存システムとの統合ポイントを明確に定義しましょう。その際には最新の業界動向(例えばOMO対応やマルチチャネル統合)も視野に入れ、将来を見据えた要件を盛り込むことが大切です。また、プロジェクトの規模に応じて専門家の知見を取り入れれば、要件定義の漏れを防ぎつつ自社に最適なソリューションを導き出せます。要件定義はECサイト構築の最上流であり、この工程の出来がプロジェクト全体の成否を左右します。適切なアプローチで要件定義を行い、堅実な土台のもとでリニューアルを進めることが、成功への近道と言えるでしょう。
ECサイトのリニューアルをお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。