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EC:商品登録、販売開始までの業務フロー
ECサイトにおける商品登録から販売開始までの流れを実現する方法を解説します。販売商品の選定、商品情報の登録、品質管理、ささげ作業、販売プロモーション、販売開始後の管理まで、各プロセスのポイントを整理。

EC市場は成長を続け、競争が激しくなる中で、スムーズな業務フローの構築が求められています。商品の登録から販売開始までのプロセスを効率化することで、販売機会の最大化や業務負荷の軽減につながります。本記事では、ECサイトにおける商品登録から販売開始までの業務フローを整理し、各プロセスで重要なポイントを詳しく解説します。
販売商品の確認と選定の業務フローについて
ECサイトで商品を販売するためには、適切な商品を選定し、販売の準備を整えることが重要です。取り扱う商品の選定は、売上に直結するだけでなく、在庫管理やマーケティング戦略にも影響を与えるため、慎重に進める必要があります。ここでは、販売商品の確認と選定の業務フローについて詳しく解説します。
市場調査と出店者からの情報収集
まず、販売する商品の市場動向を把握し、適切な品揃えを決定します。過去の販売データや競合他社の動向、消費者のニーズを分析することで、売れ筋商品や成長が期待できるカテゴリを特定できます。
また、出店者から提供される商品情報を収集し、販売候補として検討します。出店者とのやり取りを円滑に進めるためには、商品の仕様や価格、取引条件などを明確にすることが重要です。
出店者との調整および候補商品のリストアップ
市場調査をもとに、出店者と協議しながら候補商品を選定します。出品可能な商品をリストアップし、それぞれの特徴や強みを整理することで、販売戦略を立てやすくなります。
この段階では、販売時のターゲット層や価格設定の方針も合わせて検討します。たとえば、高価格帯の商品であればブランディングを意識した販売戦略が求められますし、低価格帯の商品であればプロモーション施策との組み合わせが重要になります。
在庫状況や品質基準の確認
販売対象となる商品が決まったら、在庫の確保や品質基準の確認を行います。適正在庫を維持することで、販売機会の損失を防ぐとともに、過剰在庫によるコスト負担を軽減できます。
また、品質基準を満たしているかを確認し、不良品が含まれていないかをチェックします。特にECサイトでは、商品が実際に手元に届くまで消費者が品質を確認できないため、クレームや返品を防ぐための対策が欠かせません。
選定基準の明確化
商品選定の最終段階として、どのような基準で商品を販売するかを明確にします。たとえば、以下のような基準を設定することで、選定の一貫性を保つことができます。
- 過去の販売実績やトレンドに基づく人気商品か
- 在庫が安定して供給できるか
- 価格競争力があり、利益率が確保できるか
- 消費者にとって魅力的な付加価値があるか
このような基準をもとに、販売する商品を厳選し、ECサイトへの登録準備を進めます。
商品情報の登録と品質管理の業務フローについて
販売する商品の選定が完了したら、次に必要なのは正確な商品情報の登録と品質管理です。ECサイトでは、商品ページが顧客の購買判断を左右するため、登録する情報の正確性や分かりやすさが非常に重要になります。 また、情報の不備や誤りはクレームや返品につながるため、品質管理のプロセスをしっかりと整備することが求められます。ここでは、商品情報の登録と品質管理の流れについて詳しく解説します。
商品情報の受領とデータの整理
まず、出店者や社内の仕入れ担当者から商品情報を受領し、データを整理します。受領する情報には、商品名、カテゴリ、価格、在庫状況、仕様(サイズ・カラー・素材など)、販売条件、商品画像などが含まれます。情報が不足している場合は、追加情報の取得が必要になります。
この段階では、情報のフォーマットを統一し、管理しやすい状態に整えることが重要です。複数のチャネル(自社ECサイト、マーケットプレイス、SNS販売など)で販売する場合は、すべてのチャネルに適用できるように情報を統合しておくことで、管理の手間を減らすことができます。
基本情報の入力(商品名、価格、カテゴリなど)
整理したデータをEC管理システムに入力し、商品ページを作成します。この際、以下のポイントを意識することで、より分かりやすく、魅力的な商品ページを作ることができます。
- 商品名: 検索されやすいキーワードを含める(例:「ワイヤレスイヤホン Bluetooth 5.0 ノイズキャンセリング」)
- 価格: 競争力のある価格設定を行い、割引キャンペーンがある場合は適用ルールを明確にする
- カテゴリ: 顧客が商品を見つけやすいように、適切なカテゴリを設定する
- 仕様情報: サイズ・カラー・素材・付属品・保証内容などを詳しく記載する
特に商品名や仕様情報は、検索エンジン対策(SEO)の観点からも重要になります。正確な情報を入力することで、顧客が安心して商品を選べる環境を整えます。
画像および動画コンテンツの準備と登録
ECサイトでは、顧客が実際に商品を手に取って確認することができないため、高品質な画像や動画を用意することが欠かせません。
- 画像: さまざまな角度から撮影した写真を掲載し、拡大表示機能を活用する
- 動画: 商品の使い方や特徴を分かりやすく紹介する動画を追加する
- サムネイル: 一目で商品の特徴がわかるような画像を設定する
また、画像や動画は統一感を持たせ、ECサイト全体のブランドイメージを統一することも重要です。
SEOを意識した商品説明文の作成
商品ページのテキスト情報は、検索エンジン対策(SEO)に影響を与えるため、適切なキーワードを含めながら、分かりやすい文章を作成することが重要です。
- タイトル: シンプルかつ魅力的な表現を心がける
- 概要: 商品の特徴やメリットを簡潔に伝える
- 詳細説明: 使用シーンやおすすめのポイントを具体的に記載する
- FAQ: よくある質問を記載し、顧客の疑問を解消する
たとえば、「防水仕様のワイヤレスイヤホン」を販売する場合、「ランニングやジムでの使用に最適な防水ワイヤレスイヤホン。高音質で快適な装着感を実現。」といった説明が考えられます。
登録後の品質チェックと上長への報告
商品情報を登録した後は、最終的な品質チェックを行います。特に以下の点を確認することで、不備のある商品ページが公開されるのを防ぐことができます。
- データの整合性: 商品名・価格・仕様情報が正しく登録されているか
- 画像の表示: すべての画像が正常に表示されるか
- 誤字脱字の確認: 説明文に誤字脱字がないか
- リンクの動作: 商品ページ内のリンクが正しく機能しているか
チェックが完了したら、必要に応じて上長や関連部署に報告し、問題がないことを確認したうえで販売開始に進みます。
ささげ作業の実施と調整の業務フローについて
ささげ作業(撮影・採寸・原稿作成)は、ECサイトの商品情報を充実させ、顧客に分かりやすく伝えるために欠かせないプロセスです。この作業を適切に進めることで、商品の魅力を最大限に引き出し、購買意欲を高めることができます。ここでは、ささげ作業の業務フローについて、依頼から実施、最終確認までの流れを詳しく解説します。
ささげ作業の依頼プロセス
ささげ作業を開始する前に、作業内容やスケジュールを明確にし、関係者と調整を行います。出店者やささげ担当者に対し、以下の情報を含めた依頼を行います。
- 対象商品: 撮影・採寸・原稿作成が必要な商品リスト
- 作業スケジュール: 作業の優先度や納期の設定
- 撮影仕様: 画像のアングル、背景、ライティングの指定
- 採寸項目: 服であれば身丈・肩幅・袖丈、家電であればサイズ・重量など
- 原稿のトーン&マナー: ブランドの統一感を保つための表現ルール
この段階でしっかりと作業内容を定義することで、後の工程での手戻りを防ぐことができます。
撮影、採寸、原稿作成の実施手順
1. 撮影の実施
商品写真は、顧客が購入を判断する上で最も重要な要素の一つです。高品質な画像を提供するために、以下の点に注意しながら撮影を行います。
- 複数のアングルで撮影: 正面・側面・背面・使用シーンなどを含める
- 背景の統一: ブランドのイメージに合った背景を使用し、商品の魅力を引き立てる
- 拡大表示用の高解像度画像: 質感や細部が分かるように高解像度で撮影する
- 色味の調整: 実物とのギャップを防ぐために適切な色補正を行う
2. 採寸の実施
サイズ情報は、特にアパレルや家具、家電などの商品では購入後の満足度に直結するため、正確なデータが求められます。
- 商品ごとに採寸項目を明確化(例:アパレルなら肩幅・袖丈・着丈、家具なら高さ・幅・奥行き)
- 測定基準を統一(測定方法にばらつきがないよう、ルールを決める)
- 数値データの入力ミス防止(ダブルチェックを行い、誤記入を防ぐ)
3. 原稿作成の実施
商品の魅力を伝えるために、分かりやすく、魅力的な説明文を作成します。
- 簡潔で分かりやすい文章: 専門用語を避け、直感的に理解できる表現を使う
- SEO対策: 検索エンジンでの表示を意識し、適切なキーワードを盛り込む
- ターゲット層に合わせたトーン: 若年層向けならカジュアルに、ビジネス向けならフォーマルに
商品情報との統合と再確認
ささげ作業が完了したら、撮影画像、採寸データ、原稿を商品情報に統合し、最終確認を行います。この段階でのチェックポイントは以下の通りです。
- 画像と商品情報の整合性: 掲載する画像が正しい商品と一致しているか
- 採寸データの確認: 登録する数値に誤りがないか、規定のフォーマットに沿っているか
- 原稿の品質チェック: 誤字脱字、情報の抜け漏れ、ブランドのトーン&マナーに沿っているか
不備があった場合の修正依頼と返却指示
不備が見つかった場合は、速やかに修正依頼を出し、必要に応じて再撮影・再測定・原稿の修正を行います。修正依頼時には、具体的な修正点を明記し、二度手間にならないように明確な指示を出すことが重要です。
- 修正の優先順位を決める: 緊急度が高いものから対応
- 修正が必要なポイントを明確にする: どこに問題があるのかを詳細に伝える
- 出店者やささげ担当者と調整を行う: 再作業のスケジュールを調整し、スムーズに進行するようにする
販売プロモーションと公開前の最終調整の業務フローについて
販売開始前には、関係者との情報共有を行い、最終的な調整を行います。出店者、マーケティングチーム、カスタマーサポートなどの関係部署と連携し、以下のポイントを確認します。
- 商品の販売開始日時の共有: スケジュールを統一し、混乱を防ぐ
- 在庫状況の最終確認: 販売開始後に在庫切れが発生しないようチェック
- 問い合わせ対応の準備: 商品に関するFAQやマニュアルを整備し、問い合わせ対応の準備を行う
- キャンペーンとの整合性: 販促施策が適切に設定されているかを確認
販売開始後のトラブルを防ぐためにも、関係者との密な連携が重要です。
販売開始後の販売状況の報告について
販売開始直後の1ヶ月間は、売上の動向を把握し、適切な対応を行う重要な期間です。この期間に販売データを分析し、必要な調整を行うことで、販売機会の最大化や在庫の最適化を図ることができます。ここでは、販売状況の報告フローについて解説します。
販売開始後1週間以内
- 初動の売上データを確認し、予測値と比較
- 商品ページの閲覧数とコンバージョン率を分析
- 顧客の問い合わせやレビュー内容を確認し、必要な修正を検討
販売開始1ヶ月後
- 初月の売上実績をまとめ、今後の販売戦略を策定
- 顧客レビューを分析し、商品説明や販売戦略の改善ポイントを特定
- 販売目標に対する達成率を報告し、次のアクションプランを策定
販売開始後の1ヶ月間は、売上データと市場の反応を慎重に分析し、柔軟に販売戦略を調整することが求められます。
この期間の適切な対応が、商品の継続的な販売拡大とEC運営の安定化につながります。
まとめ
ECサイトの業務を効率化するうえで、商品登録の最適化は重要な課題です。正確でスムーズな商品登録を実現することで、販売機会を逃さず、業務負担を軽減できます。
RPAを活用すれば、商品情報の入力やデータ整理を自動化し、作業時間を短縮しながらミスを防ぐことが可能です。また、AIと組み合わせることで、カテゴリ分類の自動化やデータの統一化を進め、より一貫性のある商品情報を管理できるようになります。これにより、複数の販売チャネルに対応しながらも、情報の整合性を維持し、顧客にとって分かりやすい商品ページを提供できます。
EC市場の競争が激しくなるなか、RPAを活用した業務の自動化と効率化は、企業の成長を支える重要な施策となるでしょう。今後は、より高度なデジタル技術を活用し、継続的な業務改善を図ることが求められます。